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大阪高島屋|開館25周年記念展 京都 細見美術館の名品 -琳派、若冲、ときめきの日本美術-

高島屋のイベントホールで開催されている細見美術館の美術展。
細見美術館というのは、美術館のベンチで途中休憩しているときだとかお昼ごはんを食べているときだとかに行きずりの見知らぬ人とか店員さんとかに勧められがちな美術館ランキング第1位で、とはいえ京都だし、特別展も自分には難しいものが多いため他の美術展とのハシゴができるときぐらいしか行かないものの、どちらかといえば好きな美術館、好きな建物であり、何しか「趣味がいい」美術館だと思う。とにかく琳派と若冲に強い。建物は、ぱっと見閉鎖的なのに中に入ると明るい中庭があってジオラマみたいで好き。その細見美術館が高島屋に自慢のコレクションを出してくれるというので見に行ってきた。入場料1200円安いなあという満足感があった。
入場時にチラシと目録を揃えて手渡ししてくれ、特にチラシをくれるのはなかなか珍しいなと思った。もちろん当日券はデザインチケット。
美術館のくせして特別展がデザインチケットじゃない館や、モギリで申告しない限りデザインチケットをくれない館は結構あるけど、そういう館ははほんとにそれでいいと思ってるのか聞きたい。

細見美術館の自慢のコレクションを網羅的に見せますという感じで、多分そんなに強い脈絡はなくいろんなジャンルの美術品が出品されている。仏像、茶碗、螺鈿細工、七宝などの美術品から始まり、中村芳中、酒井抱一、鈴木其一、神坂雪佳などを経て、最後のパートが怒涛の伊藤若冲で、大花火大会みたいな構成。とにかく最後の若冲パートが強い。でも途中、誰も見てないし並んでもないし地味な絵だな、と思って近寄ったら葛飾北斎だったりして、おっ、えっ、こんなついでみたいな北斎…と思った。「夜鷹図」と五美人図の2点が出品されていて、特に五美人図の5人それぞれの着物の柄がどれもこれも色味は地味なものの、ものすごく細かくかわいらしかった。
琳派のあのカビみたいな技法(琳派のファンがめちゃめちゃ怒りそうな言い方ですみません)のことを「たらし込み」というのだと初めて知った。あと、掛軸は本体があんまりピンと来ない感じでも表装がかわいかったりして気が抜けんよな〜、と、いつも思うんやけど、今回、表装かと思いきや一枚の繋ぎ目のない絹に、本体以外の表装部分まで表装っぽい絵を描いてあるという、鈴木守一という人(鈴木其一の子らしい)の掛軸があり、こんなパターンもあるんか!と思った。描表装(かきびょうそう)というらしい。
鹿の絵や美術品が多かった。中村芳中の
月に萩鹿図という絵の鹿があまりにバカっぽい顔をしていて笑ってしまった。絵葉書があったら絶対買ったんやけどな。グッズはどれも結構安く、絵葉書は110円。最近は絵葉書1枚で180円ぐらい取る美術館も増えているなか、何かと良心的だなと思った。図録の見本をめくってみたら和綴じだった。嵩張ってしまうし買ったら処分できないたちだから図録は買わない派なので買わなかった。




(全然関係ない、帰りに撮った写真)



開館25周年記念展 京都 細見美術館の名品 -琳派、若冲、ときめきの日本美術-
https://www.mbs.jp/hosomi25-tokimeki/
2023年3月22日~4月10日 大阪高島屋
特別協力:公益財団法人 細見美術財団
協力:ヤマト運輸
主催:MBSテレビ
観覧料:一般1200円