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大阪中之島美術館|特別展 生誕270年 長沢芦雪 -奇想の旅、天才絵師の全貌-

小説家の加藤シゲアキが会期前に「(大阪での仕事のついでに)長沢芦雪展に行こうと思ったらまだやってなかった」というようなことをツイートしており、それがややおバズりあそばしていて、あと同じ中之島美術館内でテート美術館展と会期が一部被っているのもあって相当混雑しているのではないかと、わざわざ暴風の吹く日を選んで行ってみた。思っていたよりは、むしろテート美術館展に客をとられているのかそこまでの混雑でもなくゆっくり鑑賞できた。
サイトをあんまりちゃんと見ていなかったのが悪いんだけれども、見たかったものが大体前期展示で、後期に行ったので、肩すかしをくった。この中之島美術館の特別展、前回「大阪の日本画」展を見に来たときもそうだったけれども展示替えが多すぎるのではないか。出典リストを見たらほぼ半分入れ替えだった。階段ばっかりだし、体の不自由な人に不親切そうで、動線が最悪、チケット購入列のさばき方もへた、チケット販売端末が少なく、割引券購入の案内なども不足、トイレやロッカーのピクトグラムはモノクロでわかりづらくてクソピクトグラムの見本のようなピクトグラムだし、デザインチケットへの引換もしてくれないし、ミュージアムショップが貧相、非常時の避難経路も直感的にわかりにくく、そもそも構造的にたくさんの来場者がスムーズに避難できる気が全然しないし、建物全体が暗くて陰気で、全体的にまったく好きになれない美術館だなと思う。
芦雪というのは名前ぐらいしか知らなくて、たくさん作品があるし、こうやって単独で特別展が行われるぐらいだからそれなりに期待しては行ったのだけど、途中「急に絵うまなったな」と思ってキャプションを見たら若冲だった、みたいなこともあって、全体的にはそんなにピンとこなかった。雀とか、富士山を超えていく鶴(「富士越鶴図」)とか、猿とか、動物のいっぱい描かれているのとかはよかった。いっぱい描くのが好きなのか、亀がみっしり描かれている絵とかもあり、ああ、亀ってみっしりするよな、と思った。あとは曽我蕭白の「
虎渓三笑図」という絵がとてもよかった。
虎の絵が多いということもあって、ほとんど宣伝されていないけど、長沢芦雪と阪神タイガースのリーグ優勝記念コラボレーショングッズが売られている。クリアファイルを買った。
テート美術館展にも寄ろうかと思っていたけど混んでいたし、そちらは会期もまだあるのでまた後日時間があれば来ることにして、特設グッズ売場だけ見たところ、ターナーがメインなのでターナーの絵葉書が多く、もしかして「
雨、蒸気、速度(グレート・ウェスタン鉄道)」の絵葉書がないかなと思って探したら、あった!出展されているわけではないらしいけどとりあえず絵葉書は買った。




(オープンスペースで展示されていた、小谷くるみさんという方の作品。写真撮影可)



特別展 生誕270年 長沢芦雪 -奇想の旅、天才絵師の全貌-
https://nakka-art.jp/exhibition-post/rosetsu-2023/
2023年10月7日~12月3日 大阪中之島美術館
主催:大阪中之島美術館、MBSテレビ、毎日新聞社
協賛:DNP大日本印刷
協力:ヤマト運輸
観覧料:一般1800円