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京都国立近代美術館|開館60周年記念 京都画壇の青春-栖鳳、松園につづく新世代たち

まずは京セラ美術館の竹内栖鳳展を見に行こうと思っていた。でも京セラ美術館は京セラになってからあんま好きじゃないから、向かいの近代美術館で何か良いのやってれば抱き合わせで行こうかなと思って見たら、こちらも竹内栖鳳を含む京都の画壇をテーマにした特別展をやっているということなので、じゃあ、と思って出かけていった。

昼過ぎに着いたので、混んでるやろう京セラは夕方から行くことにして先にこちらにやってきた。
入場後すぐの最初のスペースに、上村松園の
人生の花があった。出展されていることを知らずに来たので驚いた。これは向かいの京セラの所蔵作品で、2021年の京セラの上村松園展でももちろん展示されていた。場合によったら特別展の目玉にもなるような、上村松園の代表作で、とても人気がある絵だと思うし、もともと大好きな作品なので、見たことあるのにしょっぱなから長時間使って見てしまった。
「人生の花」は花嫁と、花嫁を連れていくお母さんの絵で、絵葉書サイズで見ると、タイトルも「人生の花」やし、花嫁はうつむいてやや恥ずかしげではあるものの、祝福された、ただ晴れ晴れとしたお嫁入りの絵のようなのだけれど、細部をみると、絵葉書サイズでは薄くほほえんでいるように見える花嫁の口元は、さされた紅は上がっているけれど口角自体はほんの僅かに下がっていて、嫁入りへの不安が垣間見え、そしてお母さんはやわらかい表情ながら毅然と前を向いていて、なんというか胸に迫るものがある。というか、でかい。何度見ても、鏑木清方の「築地明石町」とかアングルの「泉」を見たときみたいな、シンプルに絵のでかさに対する驚きがある。
京都画壇の青春、というタイトルの展覧会だけあって、どことなく若々しく明るく、見ていて笑顔になるような絵が多く、とてもよかった。気に入った絵がいくつもあった。結構もう、全部いいなという感じやったんやけど、特にいえば秦テルヲの
当世風俗二題(夜警・工事場)、神阪松濤の暮れゆく街道、野長瀬晩花の島の女、中村大三郎の、土田麦僊の巴里の女、福田平八郎の花菖蒲、堂本印象の冬朝などがよかった。中村大三郎の「灯」は人物の着物の色に合わせて表装がチョコミントカラーでとてもかわいかった。福田平八郎の菖蒲の絵は京セラ美術館で絵葉書を買ったことがあって、多分何回か見てると思うけど、緑色の部分がラメっぽく光ってるのは何なんやろ?
コレクション展も入って、写真を撮ってもいい絵があったので山口華楊のひまわりの絵などを撮った。ゆっくり見たら時間がなくなってしまったので京セラの竹内栖鳳展は諦めた。ミュージアムショップにだけ寄ったけど、特別展のグッズは特別展に入らないと買えない仕組みってどうなんですかね?チケットなくてもグッズは買えるよ、ってとこはいいよね。あとどう考えてもハシゴする人が多そうな展示なのに相互割引がないのはどうなんだ。
帰りにチラシラックを見たら福田平八郎の特別展のチラシがあり、お、そんなんあったっけ、最近発表されたんかなと思って出して見たら中之島美術館開催で、またあの中之島か、クソ!と思った。
はるばる京都まで行ったのに展覧会一個行っただけではなくて、このあと美術館えきKYOTOのユトリロ展に行った。京都のバスのオーバーツーリズムぶりはマジでどうにかすべきだと思う。





開館60周年記念 京都画壇の青春-栖鳳、松園につづく新世代たち
https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionarchive/2023/455.html
2023年10月13日~12月10日 京都国立近代美術館
主催:京都国立近代美術館、NHK京都放送局、NHKエンタープライズ近畿、読売新聞社
協賛:非破壊検査
観覧料:一般1700円